スカイ フレンド11

2.

ぼくたちは、空を見ている


照りつけるようなまぶしい太陽を

オレンジ色に輝く、きれいな夕陽を

風に流されながら変化する

たくさんの白い雲を



わたしたちは

ぼんやりと空を見ている……









ママ、パパ


おかあさん、おとうさん


ママとパパから見たら


わたしは

子どもかもしれないけれど



おかあさんと、おとうさんから見たら

ぼくは

幼いかもしれないけれど











子どもでも

見ているんだ



ママが

イライラしている顔を









子どもでも

見ているんだ



パパが

怒ってばかりいる姿を








子どもは

見ているんだよ



おかあさんが 

ため息ついている顔を










子どもは

見ているんだよ




おとうさんが 

悩んでいる姿を












ぼくたちは、聞いている


カサをさしても

ぬれてしまうような激しい雨音を

ヒューヒューと空に鳴りひびく

つよい風の音を


大きな灰色の雲のあいだから

光るカミナリの音を



わたしたちは

どうしても気になって

その音を聞いている……












ママ、パパ


おかあさん、おとうさん


ママとパパから見たら

わたしの耳は

小さいかもしれないけど



おかあさんと、おとうさんから見たら

ぼくの耳は

まだまだ成長しているんだろうけど










子どもでも

聞いているんだ



ママとパパが

口げんかしているのを








子どもは

聞いているんだ



おとうさんと、おかあさんが

傷つけあっている言葉を














ねぇ、ママ?


わたしには、パパはいないけど


ときどきママを無視するのは


そのことが理由じゃないんだよ。












あのさ、おとうさん?


ぼくが、ときどき反抗的になるのは


おかあさんがいないことが

原因じゃないんだよ。

















子どもにも

聞こえているんだ



ママが電話の相手に

不満をぶつけている声が













子どもには

聞こえているんだ




おとうさんが電話の相手に話してる

悔やんでるグチが













眠れない夜もあったんだ



なんだか、さびしくて

なんだか、せつなくて


なんだか

とても、かなしくなって


よくわからないけれど

涙まで溢れてきて


ぼくの居場所が

見つからない日も



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