光の絆4
2.
小さい頃
おかあさんのいない時に
お化粧をしたり
おとうさんのネクタイを
首にまいたりして……
あの頃は
背伸びをするのが
楽しかった
なんか、ちょっと
大人になったような
気分になって
心が
ワクワクしていた
でも
いつの日からだろう?
楽しくなくなったのは……
「わたし、そんなことできるよ!」なんて
かっこつけて友だちに
言ったはいいけど
あとから
だんだん胸が
苦しくなってきたのは……
いつの日からだろう?
無理に
かっこなんかつけないで
夢中になって
楽しんでいた
あの頃……
自分のすること
思うことに
いつも
心ときめかしていた
あの頃……
ねえ
疲れない?
そんなに
まわりに合わせなくても
いいんじゃない……
そんなに気になる?
心配なの
不安なの
こわい?
そうなの……
でも
わたしは
自分の気もちを抑えている
あなたが心配……
ぼくは
心とは裏腹な行動をする
きみが気になる……
もちろん、あなたが
つらい経験をしたことは
知っているよ
もちろん、きみが
ひどく傷ついたことがあるのは
わかってる
わかってる……
うん、わかってるよ
いや、わからない……かな
わからない……かも
きみのことは
きみのようにはわからない……
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